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 02  NGOが実施したアジアの労働実態調査で、委託工場の劣悪な労働環境や処遇の実態が指摘された(2004年)

アテネ五輪を控えた2004年にスポーツメーカーを標的としたNGOによる大々的なキャンペーンが展開され、アシックスも標的に

人権侵害の事実はなかったものの、当時工場にオーダーを出していた欧州統括社長の尾山氏(現CEO)が矢面に立たされた

 02  アクションと結果

アクション: 

  • 社内にCSRチームを組織し、FLA(Fair Labor Association)に加盟

    • 日本国内のスポーツブランドでFLAに加盟しているのはアシックスのみ

  • アシックスの下請工場の管理基準も強化

    • FLAが開発した膨大な項目をベースにサプライチェーン監査の質問項目を作成

    • 契約前に生産担当者が直接委託候補先のCSR基準を確認

    • 他のブランドが既に委託している場合は、そのブランドの監査報告書を入手

    • 5段階評価でC以下の工場とは取引しない

    • 半期ごとに自主監査を実施し、自主監査した翌年は監査会社による独立監査を実施

結果とその後:

  • CEO尾山氏がオランダ国王陛下より「オラニエ・ナッソー勲章*」を授与(2014年)
    *相当な期間、社会的な役割に就き、人々に良い影響を与え、素晴らしい業績を残した人物に贈られる賞

経営トップ自らが、国際的なスポーツブランドとして人権対応をしなかったときのリスクを強く認識し、社内体制を構築すべきことを示す事例

出典: 海野みずえ「新興国ビジネスと人権リスク:国連原則と事例から考える企業の社会的責任(CSR)」(2014)他より、ACE作成

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