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企業と人権リスク

企業活動のまわりには様々な人権リスクが潜んでいます。
そうしたリスクが顕現したことによって過去に多くの企業が苦しんできました。
その事例の一部をご紹介します。

 01  NIKEのインドネシアやベトナムの下請け工場で日常的な児童労働が発覚(1997年)

就労年齢に達していない少女達が低賃金(時給約17セント)で強制的に労働させられていた。
少女達への日常的な強姦や尊厳を傷つける行為が横行。工場労働者のストライキが発生。
世界的な消費者の不買運動(反ナイキ・ボイコット・キャンペーン)が発生。
犯罪企業等の悪評がメディアやインターネットで流出。
NIKEの売上減少・株価減少(1997年)【連結売上高 26.1減少(同額相当の機会損失)】

​01 アクションと結果

 02  NGOによるアジアの労働実態調査が委託先の劣悪な労働環境や処遇の実態を暴露(2004年)

アテネ五輪を控えた2004年にスポーツメーカーを標的としたNGOによる大々的なキャンペーンが展開され、アシックスも標的に

人権侵害の事実はなかったものの、当時工場にオーダーを出していた欧州統括社長の尾山氏(現CEO)が矢面に立たされた

02  アクションと結果

 03  欧州をはじめ世界の44か国/地域に1,382店舗を構える英国の小売業者Marks & Spencerのサプライヤーが移民労働者を不当に扱っていることが発覚(2007年)

南ウェールズの精肉卸業者の工場で働くポーランド人の移民労働者が固定労働時間を設けず厳しい労働条件(ゼロ労働時間)を突きつけられていると労働組合に訴えたことから発覚

ポーランド人はゼロ時間労働の契約や病気休暇や手当が支給されない等差別的な扱いを受けていた

Marks & Spencerは調査を実施したものの、法律基準を遵守しているという回答のみ

韓国、ポーランド、ルーマニアのIUF*加盟労働組合によるデモよりブランドイメージの低下

03  アクションと結果

 04  インドのケーララ州にて2000年より清涼飲料水の製造を開始して以降、工場周辺の井戸が涸れ周辺地域で深刻な水不足が発生(2003年)

当該工場では地域の地下水を毎日150万リットル汲み上げていた/井戸水の汚染も発生

住民側が工場による地下水の過剰使用と汚染に伴う健康被害や農作物への悪影響について権利が侵害されたとして抗議

2004年以来、ケーララ州の工場は閉鎖

抗議運動はインド国内に留まらず、欧米諸国の大学や労働組合の間でコカ・コーラ製品の不買運動にまで発展

2010年、政府はCoca-colaに対して水資源の不足と汚染、地域住民の生活や健康への影響の補償金約4,800万ドルの支払いを命じた

04  アクションと結果

 05  男児誕生が極端に好まれるインドや中国において、超音波画像診断装置で胎児の性別が判断され、人工中絶を誘発(1990年代)

インドでは、毎年50万人の女児が中絶されていると推定

中国では、1,300万人(2009年)以上中絶され、そのうち大半が女児と推定

ハイデラバード市(インド)は、GEとウィプロとの合弁販売会社及び東芝製医療機器を販売するエルビス・エンジニアリングに対し懲役最高3ヵ月と罰金1,000ルピー(約1,600円)の支払いを求め提訴(2007年)

05  アクションと結果

 06  大手電機メーカーの部品調達先企業のマレーシア工場にて、ミャンマー人移民労働者の不当な扱いが指摘された(2011年)

マレーシアにある日系電子機器部品メーカーが政府系人材派遣会社を通じてミャンマーからの移民労働者を雇用

ミャンマー人労働者が不当な扱いについて会社に抗議したところ、会社はその労働者達の解雇や強制送還を示唆する等脅しをかけた

労働者を支援する人権活動家兼弁護士とサプライヤー間で訴訟

訴訟を契機に世界の人権活動家やNGOが激しい攻撃を展開

世界に広がる当電機メーカーの支社に抗議メールが殺到し、デモが発生。騒動が落ち着くまで半年かかった

06  アクションと結果

 07  インドのマネサール工場での暴力的行為や差別的発言を発端に従業員が暴徒化(2012年)

会社側は作業現場で正規労働者が班長に暴行を働いたことを理由に、事件を調査することなく、正規労働者を停職処分、班長は処分なし

組合役員は停職処分の取り消しを求めたが、会社側が拒否

会社側の対応に対し暴徒化した従業員が事務所に放火。事務所機材設備が損傷。
人事部長が死亡。日本人駐在員2人が殴打で負傷し入院

1ヵ月以上の操業停止により、2012年のインド子会社単体売上高は約16.4%減少(約1,330億円相当*)

07  アクションと結果

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