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【開催報告】タドれるチョコ テクノロジーが開く可能性 ~社会課題解決に向き合う仕事人達のコラボ~

ACE、(株)UPDATER(以下、UPDATER)、(株)立花商店(以下、立花商店)はブロックチェーン技術を利用し、消費者と支援地をつなげる新たな取り組みを始めました。 3社の異なる立場からどのように課題に向き合いそれぞれの強さを活かし連携したのか、そして今回新たに生まれた取り組み「タドれるチョコ」についてお話をするトークイベントを2022年3月17日(木)に開催しました。

タドれるチョコとは?

「タドれるチョコ」とは、応援金を通じてカカオ生産地が抱える社会問題の解決に貢献できる商品です。今回の商品では、ガーナの児童労働問題の解決、ベネズエラの先住民女性の権利、フィリピンの希少カカオの生産の3つの課題を支援の対象としており、チョコレートの値段に含まれている100円ほどの応援金が各支援先に寄付されます。応援金の取引証明にはブロックチェーン技術を使用し、消費者が支払った応援金がどこに送られているのかを「見える化」して「タドれる」チョコレートとなっています。


第一部:各社による講演

第一部は、3名の登壇者による講演を行いました。初めにACEの及川有希子から「ACEの児童労働への取組、チョコレートプロジェクト」について発表がありました。ACEの成り立ちや児童労働が発生するシステム、現在の児童労働の世界推計を共有後、児童労働撤廃へ向けたACEのアプローチを紹介しました。次に、ACEの事業、スマイル・ガーナ プロジェクトや「しあわせへのチョコレート」プロジェクトなどについて説明いたしました。

続いて、立花商店の鶴田絹さまから「ソーシャルな調達、支援地産カカオ調達」について発表いただきました。立花商店の事業のお話やソーシャルトレーディングカンパニーとしての立ち位置や課題のご説明がありました。どのような品質のカカオ豆でも値段をつけて最適な市場を見つけることや、認証に応じたプレミアムを支払うなど取引単価を高くした買付を行うこと、井戸の設置や衛生用品の配布といった取引外での別途寄付支援の実施など、ソーシャルトレーディングにおける三つの柱をご説明いただきました。また、ACE活動支援地域カカオの輸入や自社のチョコレート製品についてもお話いただきました。

最後に、UPDATERの濱田淳さまから「見える化による社会課題解決の促進、タドれるチョコのしくみ」について発表いただきました。寄付をした消費者が、その応援金がどこで誰にどのように使われたかがわからないという課題に対して、顔の見える電力事業で培った経験を活かし、ブロックチェーン技術を用いた応援金の行き先の見える化を実現したシステムのお話をいただきました。また、今後の展望として応援金の使用用途の見える化などについてご説明いただきました。


第二部:パネルディスカッション・質疑応答

第二部ではUPDATERから村松さま、立花商店から生田さまにもご参加いただき、パネルディスカッション及び質疑応答を行いました。今回の事業が始まったきっかけや協働の中でどのような苦労があったのか、パートナーシップにおけるポイントなどについてお話をいただきました。

プロジェクトの始まりは、ACE代表の岩附とUPDATER社長の大石さんがイベントにて出会い、子どもに関する社会課題を共に解決したいという思いからでした。当初は、UPDATERのメイン事業である電気エネルギーに関連して、児童労働のないリチウム電池を作ることが案にあがりました。リチウム電池の原材料であるコバルトの採掘現場でも、深刻な児童労働が長年指摘されています。児童労働のないリチウム電池の製造を目指し、ブロックチェーンを利用した取り組みを模索したものの、複雑なサプライチェーンや原産国への立ち入りが容易ではないことなどから、まずはACEが以前から支援を続けるカカオセクターの商流を活用してみようということになりました。そこから、数年前よりACE支援地域産カカオ豆の日本への輸入実現に尽力してくださった立花商店が加わり、3社での協働が始まりました。

今回のプロジェクト中では、元々は電力事業が中心であるUPDATERがチョコレート販売という新しい事業に挑戦するにあたって社内を説得する必要があったことを苦労としてあげられました。立花商店の生田さまは、3社それぞれ異なる強みがあるため、焦点やアプローチ方法を絞ることが難しかったとお話しくださりました。最後に、参加者から募集した質問にもパネリストよりお答えしました。

今回のイベントでは「タドれるチョコ」の取り組みと、3社のパートナーシップについてお話ししました。イベント前半の各社の取り組みに関する講演に加えて、後半のパネルディスカッションでは、3社のパートナーシップについて当事者の視点から経験や学びを参加者の皆様を共有しました。皆さまの今後の活動の参考にしていただけ参考にして頂けると幸いです。参加者の方からの質問を通し、私たち自身もプロジェクトについて振り返る実りある時間となりましたありがとうございました。

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