top of page
  • ace-socialbusiness

日本のアパレル企業は低評価。強制労働リスクへの対応は未だ不十分。

更新日:2022年4月6日

イギリスの人権NGO、Know The Chainは5月26日、世界各国のアパレル企業64社を対象に強制労働リスク対応状況を評価した2021年ランキング「2021 Apparel and Footwear Benchmark」を発表しました。


アパレル業界のサプライチェーンでは以前より強制労働が問題視されていますが、未だ大幅な改善が見られていません。強制労働リスクへの対応について「何もしていない」と答えた日本企業は40%にのぼり、一方で同回答をしたグローバル企業は13%でした。(世界のアパレル・フットウェア大手企業64社対象)


海外にあるサプライチェーンでのリスクのほか、日本国内でも、移民労働者や技能実習生という名の裏に外国人労働者が強制労働に晒されるリスクが高まっています。レポートでは、米国務省の2020年版「人身取引報告書 (Trafficking in Persons Report)」で、これらの外国からの技能実習生への対応などを理由に日本の評価は「ティア1」から「ティア2」に格下げされたことも報告されています。


2020年10月、日本でも「ビジネスと人権に関する行動計画」(NAP)が公表されましたが、企業に対する人権デュー・デリジェンスの実施は義務化をしておらず、努力義務に留まっています。企業の国際競争力を担保するためにも、人権デュー・デリジェンスへの取り組み義務化へ向けて、ACEはこれからも政府に働きかけてまいります。


企業は、サプライチェーンが数カ国にまたがる今日、人権デュー・デリジェンスの実施が日本国内で義務化されていないからといって、ビジネスと人権の問題に無関心ではいられません。イギリス、オランダやフランス、オーストラリアなどではすでに人権デュー・デリジェンスの実施を義務化する法的な枠組みの策定が進んでおります。先日、スウェーデンとドイツでも、新たに企業に人権デュー・デリジェンスの実施を義務づける法律が策定されました。


こうした問題への取り組みは、自社及びサプライチェーン上の労働環境などを調査し、リスクの有無を認知することから始まります。こちらのページで人権リスク管理に取り組む際の実施項目を紹介していますので、ご参照ください。


KnowTheChain 2021年 アパレル・フットウェア部門ベンチマーク評価:世界の企業と比較した日本企業の進捗状況: https://knowthechain.org/wp-content/uploads/2021-KTC-AF-Japan-brief.pdf


閲覧数:508回0件のコメント

最新記事

すべて表示

ユニセフとノルウェー中央銀行投資管理部門、アパレル・フットウェア業界向けガイダンスを発表

【2020年6月10日 ジュネーブ発】 ユニセフ(国連児童基金)とノルウェー中央銀行投資管理部門(NBIM)は本日、アパレル・フットウェア業界向けに新しいガイダンスを発表し、グローバルサプライチェーンにおいて子どもの権利をより適切に守るための指針を示しました。...

EUが人権デューデリジェンス義務化法案を公表

EUは企業に対して人権デューデリジェンスを義務付ける2020年9月11日付の法案を公表しました。 こちらのリンク先でドラフト(英語版)をご覧になれます。 https://www.europarl.europa.eu/doceo/document/JURI-PR-657191...

ドイツ、ノルウェーで人権デュー・デリジェンス法制化が進む

ドイツ 2021年6月、ドイツ連邦議会によりサプライチェーン注意義務法が2023年1月から施行されることが承認可決されました。この法律は、企業に対してサプライチェーン上の人権リスクや、それに影響を及ぼしうる環境リスクに関するデュー・デリジェンス(リスク監査や人権リスクの予防...

bottom of page