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ドイツ、ノルウェーで人権デュー・デリジェンス法制化が進む

更新日:7月27日

ドイツ

2021年6月、ドイツ連邦議会によりサプライチェーン注意義務法が2023年1月から施行されることが承認可決されました。この法律は、企業に対してサプライチェーン上の人権リスクや、それに影響を及ぼしうる環境リスクに関するデュー・デリジェンス(リスク監査や人権リスクの予防措置)の実施を企業に義務づけます。


2023年1月からは、ドイツ国内にある本店、本社、主要事業所などの従業員が3000人を超える企業、2024年1月からはその従業員数が1000人を超える企業に義務が課されます。義務は、ドイツ企業のみならず、ドイツに拠点を置く外資企業も対象で、例えば、ドイツ国内に拠点を置く日本企業(ドイツ支社など)で従業員数が3000人を超える場合はデュー・デリジェンスの実施義務の対象です。


デュー・デリジェンスの義務に反した場合、行政罰(最大80万ユーロ。ただし、平均年間売上高が4億ユーロを超える法人等の場合は、最大平均年間売上高の2%が徴収される。一定の場合には3年を上限として公共調達への参加制限)も定められており、待ったなしの対応が必要です。


ノルウェー

同じく2021年6月ノルウェー議会は、一定の事業規模のノルウェー企業およびノルウェー国内に物品およびサービスを提供する外国企業に対し、調査を通して特定されたバリューチェーン上での人権リスクなどの公表を義務付ける法律を可決しました。


内容は、ビジネスと人権に関する指導原則とOECD多国籍企業指針の内容を踏まえており、また情報公開の対象をサプライチェーン上のリスクに留まらず、バリューチェーン上のリスクにまで広げていることが特徴的です。個人から情報公開請求があった場合、企業は自社の事業に関連する潜在的な人権リスクなどの情報を開示せねばなりません。

先日行われたウェビナー「人権デューディリジェンス・欧州の動向を考える」(7月12日開催)にACE代表の岩附が登壇し、ドイツとフランスの人権デュー・デリジェンス法とケーススタディを共有し、日本においてビジネスと人権の取り組みをいかに進めていくか、投資家、企業、市民社会のマルチステークホルダーで議論をいたしました。300名を超える参加者の方からたくさんの質問をいただき、ビジネスと人権に対する企業の方々のご関心の高さを実感いたしました。日本でサプライチェーン上の人権リスクに関する情報公開が義務付けられていなくても、これらの法律がある国に拠点を置き、法の対象となる場合、人権リスクの調査と情報公開が必須となります。このような取り組みは一朝一夕には終わらず、いますぐアクションを取ることが必要です。


人権リスク管理に取り組む際の実施項目をこちらのページにて、紹介しています。お役立てください。


参考:

https://www.businesslawyers.jp/articles/949

https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/scm_hrm/report210609.pdf

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